お盆には先祖の精霊が帰ってくると信じられてきました。
これを迎えるため、8月13日になると仏前を飾りお供えの団子(迎え団子)が作られ、家族そろってお墓に参ります。

お盆最終日の16日、西ノ島町では、先祖の精霊が精霊船(シャーラ船)に乗り、西方浄土へと旅立って行くと言われており、精霊船を造り、送り出します。

 

精霊船1

【歴史】
明治中期以前は、お盆が来ると先祖の霊とは別にホーケ棚を家の軒先につくり、無縁仏を祭っていたが、精霊送りの時にはホーケ棚も一緒に家の前から海岸に流したため、集落付近の海岸には供え物が流れ着き、流れ着いた供え物を子どもが拾って食べ疫病が流行したと伝えられます。そのような事態を防ぐため、船越万福寺のご住職が、大きな精霊船を造り、精霊船にお供え物を積んで沖まで持って出て流すことを考案したとされています。
そして、現在では、美田・浦郷地区ではその行事を「シャーラ船流し」と呼んで古くから大切に守ってきました。
シャーラ船は杉と竹、麦わら等で作られ、帆のかわりに「南無阿弥陀仏」などと書かれた色とりどりの盆旗を沢山飾り付けます。
中学生からお年寄りまでたくさんの人の手によって作られた船は、見送る人たちのご詠歌に送られながら先祖の精霊を乗せて、海に流されていきます。 


現在は、西ノ島町の夏の風物詩となっており、各メディアに取り上げられ、沢山の見物客で賑わいます。

 

精霊船2

精霊船送り
日時:平成28年8月16日(火)午前6:00頃~
場所:美田地区・浦郷地区 沿岸